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アラフィーです。Aussieの旦那との2人暮らし。毎日のドタバタを楽しくかいていけたらなぁと思っています。
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天平の甍

2009.07.19 23:22|


FC2トラックバックテーマ  第776回「好きな小説。」





 好きな小説っていっぱいありすぎて、数え上げたらきりがない。

 

 読書は、私の唯一の趣味。こことは別に読書日記書いていますが、そっちで書いた中で、1冊選ぶとしたら、2005年に読んだ、”天平の甍”かな・・・。 (こんな名作を40過ぎるまで読んでないなんて、読書が趣味があきれる??)



 遣唐使として唐にわたり、鑑真を日本に連れてくる主人公の普照よりも、私の心に残ったのは、業行という僧。



 もう20年も唐に留まり、ただただ写経をしているの。変わり者と評判の彼に会いにいった普照に、彼が言った言葉。



 
”自分で勉強しようと思って何年か潰してしまったのが失敗でした。自分が判らなかったんです。自分が幾ら勉強しても、たいしたことはないと早く判ればよかったんですが、それが遅かった。”




 もちろん、業行という人は、遣唐使に選ばれたのだから大変な秀才だったはず。だから、自分も周囲も、何かを作る側の人間として期待してしまった。そして苦しんだ。



 井上靖はなぜ、こんな人物を登場させたのだろうか。


 基本的に史実に基づいて書いたと言っているから、実際にそういう人物がいたのだろうけれど、なぜ彼にそう言わせたのだろう。


 井上靖自身が、苦しんでいたのだろうか・・・。あれほどの作家なのに・・・。


 私は、自分が何者かは分かっているつもりだが、それでも ”幾ら勉強しても、たいしたことはないと早く判ればよかったんですが”と言い切る境地には至っていない。自分に未練もあるし、また、それは怠け者の言葉、負け犬の遠吠えなんじゃないかとビクビクしてしまうのだ。




 でも、もし、たとえば業行にとっての写経のように、ただただ手を動かしていることで、世の中の役にたつというものにめぐりあえたら、それはそれでとっても心が安定するんじゃないかなという気がする。


 ただ、今の時代、そんな仕事はほとんどコンピュータがやってしまうし、どうしても人手が必要なら、海外の安い労働市場に求めてしまわれるので、絶対多数であると思われる、私を含めた”非クリエイティブ”人間にとってはとても生き辛い世の中なんだと思う。


 なんて、多くの人がぼんやり感じていることを、形にして、示してくれるのが名作なんだろうなぁ。  

 

 

 

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